講座&セミナー レポート ・ アピール


 私たちはこの2日間、宮城県石巻の地で「障害者の地域生活支援」の明日を考えてきました。その中で話し合った課題を以下に整理し、その解決や実現のために行動することをここに宣言します。


1.障害者や高齢者、子どもが、地域の中で共生できるような制度づくりに取り組む。
 障害者や高齢者、子どもが、地域の中で暮らしていくには、共生(ノーマライゼーション)の視点が求められる。障害者や高齢者、子どもを支援するそれぞれの制度・施策は、ともすると共生を妨げ、分離することでより専門性の高い支援を必要としてきた。
 こうした制度・施策を共生の視点で見直し、共通する施策を相互に利用できるよう緩和していくことで、共生の社会の実現が図られていくものと考えられる。
 そのためには、福祉のみならず、保健・医療のほか教育や労働、住宅政策などのあらゆる分野において、共生の理解を深めるとともに、当事者や関係者の組織化、制度・施策の見直しを進める関係行政の推進体制の整備に、早急に取り組んでいく。


2.障害者が地域の中で、その人らしく暮らすことを実現する財政的な基盤をつくる。
 どのような障害があっても、当たり前に地域の中で暮らせるための仕組みとして、「支援費」制度は動き始まったが、その財源的な裏付けには不安が少なくない。
 そこで、高齢期の障害者を支援する目的で創設された介護保険の対象に、あらゆる年齢の障害者を含め、財政的な基盤を確保することが求められる。
 そのために、私たちは行政とともに、障害者が地域の中でその人らしく普通に暮らすことを実現するために、介護保険の見直しなどの議論を巻き起こしていく。

3.障害者や家族の願いを受け止め、その実現をめざす計画を策定する。
 社会福祉法の制定により、すべての市町村に「地域福祉計画」の策定が求められている。
 どのような障害があっても、障害者本人や家族が願えば、地域の中で暮らすことが当たり前のことであるという視点での計画の策定がなされるように、当事者を含むすべての住民が計画の策定に主体的に参加していく。

2002年10月20日
みやぎふぉーらむ参加者 + 実行委員会


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