もくじ

事業実施目的 1950年代以降、高度成長と人口増加を背景として全国各地の中核都市部を中心に数多く建設された集合住宅団地では、経年による躯体・設備の老朽化やエレベーター等の設備の不足、高齢化の進展や人口減少にともなう空室の増加などにより、さまざまな生活課題が表出するとともに、コミュニティの維持も困難になってきているところも少なくない。
急激な高齢化により、地域コミュニティでの要援護者たる高齢者が増加する一方、コミュニティを下支えしてきた若年層が減少し、支え合いのバランスが崩れていくことに加え、人口減少によりコミュニティ内の「見守る目」自体が減ることによって、相互扶助の枠からこぼれ落ちてしまう層が増加し、社会的孤立が加速している状況は、全国的に見られるものではあるが、規模が大きく、短期間で整備された集合住宅団地では、入居者の年代構成が特定の世代に偏るため、このような問題に対して、ある時期を境に、より大きなインパクトをもって直面することになる。
近年顕在化してきたこのような状況に対し、当該団地の自治会、民生委員、行政、ボランティア団体、NPOのほか、地域によっては、地域包括支援センターや校区コミュニティ、社会福祉施設等さまざまな団体が、コミュニティの問題として多様な活動に取り組みつつある。
本事業においては、集合住宅団地における課題を整理するとともに、これらの課題に取り組む活動事例の収集・調査を行い、活動の検証と整理を行うとともに、先進的と認められる事例については、ガイドブック・DVDにまとめ、広く全国に普及・啓発を行い、もって「住民力」向上に資することを目的として実施する。
また、本件の研究対象に、阪神・淡路大震災等の折、被災者のために建設された復興公営住宅を含め、課題の整理とともに、現在建設が計画・着工されつつある東日本大震災での復興住宅に対する提言も行う。
事業実施計画 1. 研究委員会の設置
集合住宅団地における課題と、その支援活動のあり方を議論するとともに、実態調査の検討および評価を行う。
2. 実態調査の実施
全国10カ所程度の先進事例を抽出し、訪問調査を行う。
3. 事例検討会の開催
全国の事例をもとに、住宅団地におけるコミュニティや相互扶助の課題とあり方を検証する。
4. 実践事例集とDVDの作成
全国の先駆的な実践をガイドブックとDVDにまとめ、全国の自治体及び社会福祉協議会に送付する。
国庫補助所要額 14,565  千円
研究報告書のダウンロードはこちらから
【PDFファイル / P116 / 8.36MB】
成果物DVDの一部をyoutubeで公開しています。

兵庫県宝塚市・県営宝塚福井鉄筋住宅と周辺地域とのコミュニティづくり
 

兵庫県宝塚市・宝塚市営安倉南住宅でのサロン活動