もくじ

通所介護での泊まり実施について、都道府県により指導の内容に差が生じていることから、実態を把握するために、都道府県・政令指定都市の指導担当者に対して実態調査を行いました。
2007年7月13日時点の速報値をご報告します。

1.調査概要

実施主体:

日本福祉大学地域ケア研究推進センター、全国コミュニティライフサポートセンター

実施時期: 2007年6月24日送付
回収率 : 都道府県48.9%(今回は暫定的な結果として都道府県のみ集計)

回収率

都道府県

政令指定都市
配布数
47
17
回収数
23
5
回収率
48.9%
29.4%
2.通所介護の実態

通所介護の定員については、78.3%の自治体が把握していたが、民家の活用している事業所や、障害者の共同利用を行っている事業所を把握している都道府県はなかった。15名以下の通所介護の数については、宮城県がもっとも多く全体の45.2%を占めている。

表1・定員15名以下通所介護の把握について


把握している

把握していない
合計
実数
18
5
23
比率
78.3%
21.7%
100.0%

表2・定員15名以下の通所介護の数

定員15名以下
事業所数

一般型デイのうち、定員15名以下の事業所の割合

宮城県

187

45.2%

千葉県

373

43.0%

山口県

151

42.5%

岡山県

206

42.4%

鹿児島県

133

39.5%

静岡県

276

38.1%

A県

101

37.4%

鳥取県

57

35.4%

和歌山県

93

34.4%

愛知県

357

34.4%

神奈川県

314

31.8%

愛媛県

98

30.0%

長崎県

108

27.5%

大阪府

314

26.1%

福井県

38

24.1%

岐阜県

105

24.0%

青森県

57

19.5%

新潟県

69

14.4%

合計

3037

33.0%

平均

169

32.8%

3.通所介護での「泊まり」について

通所介護での「泊まり」の実態について、事業所数や泊まりの定員など把握している府県はなかった。
また、単独補助事業などにより泊まりへの支援を行っている府県もゼロという結果となった。

一方、「泊まり」への指導については、6件(21.6%)で「行っている」という結果となった。
指導の内容は、泊まりが長期におよぶ場合に有料老人ホームへの届け出を指導するが3件、その他が4件となっていた。「その他」では、自宅から通うことが基本となるため泊まりは適切ではないとするものもみられた。

また、これまで不適切な事例があったかどうかを聞いたところ、7件(30.4%)であるという結果となった。

表3・「泊まり」の把握

把握している

把握していない

合計

実数

0

23

23

比率

0%

100%

100.0%

表4・「泊まり」への指導

行っている

行っていない

合計

実数

6

17

23

比率

26.1%

73.9%

100.0%

表5・指導の内容

通所介護の
監査・指導
の指摘事項

宿泊環境
について規定

有料老人
ホームの
届出指導

その他

回答者数

実数

0

0

3

4

6

比率

0.0%

0.0%

50.0%

66.7%

100.0%

(その他の指導内容)

  • 通所介護は居宅サービスであり、利用者宅→事業者→利用者宅という流れが本来の趣旨・目的であることから通所介護の利用者を泊らせることは適切でない。
  • 通所介護事業所は、送迎を前提としている通所施設であり、当該施設に利用者を宿泊させる場合は、通所介護事業運営に支障のないように特に留意する必要あり。
  • 通所介護のサービス提供時間に保険外で宿泊させることは可としているが、実体的に居住している様な状況であるものは不可としている。
  • 宿泊者と通所介護サービス利用者とが混在しないような指導を行っている。

表6・不適切と思われる事例

不適切な事例あり

不適切な事例なし

無回答

合計

実数

7

11

5

23

比率

30.4%

47.8%

21.7%

100.0%

(不適切な事例の内容)

  • 指定通所介護事業所の運営に支障となることがあれば指導等の対象となる。
  • 日中は通所介護事業所として、夜間は宅老所として、同一人物を長期間寝泊まりさせていた事例
    があった。
  • 通所介護事業所内に居住している人に対して通所介護のサービスを提供したとして介護報酬を請求した
    ケースについて報酬の返還を求めた。
  • 宿泊者と通所介護サービス利用者とが混在している事例があった。
  • 併設しているケースでは、居室にいるのにデイの算定をしていたケースがあった。
  • 泊まりではなく実態として通所介護事業所と同じ建物内に居住していると思われる高齢者がデイサービスを利用。居住しているとすれば、通所サービスとして認めがたい場合あり。また、有料老人ホームの見届け施設になる可能性あり。
  • 通所介護と介護保険外の「泊り」を兼務する職員の勤務時間が不明確であり、通所介護の人員が適正に確保されていない。