もくじ

概要と成果

 自治体と実践者とのコミュニケーションの中で、自治体が先駆的実践に学びながら、小規模多機能型地域ケア拠点の地域密着と拠点的機能を促進するためのツールを提案することを目的とした。その背景の一つに、事業者は地域の実情に適合させながら、小規模多機能を解釈しているが、自治体はそのような小規模多機能ケアに対する理解が不十分という現実があった。

 そこで、本研究では事業所の利用実態に注目。小規模多機能型居宅介護に求められてきた「在宅を支え続けるための連続的なケアの提供する」という理念に対して実態を示すとともに、理念と実態のギャップを自治体と事業者が共通に理解し、現状を変えるきっかけとなる可能性を示すことができた。

 一方、既存の小規模デイサービスが多機能化していく過程において、自治体から有料老人ホームの指定を受けることを求められるという報告が、全国から寄せられていた。そこで、この研究会では、これまで自主事業として届け出を行ってこなかった、自主の「泊まり(短期)」事業および「泊まりの長期化」について、行政に届け出を出すことを通じて、自治体とのコミュニケーションを図り、相互の信頼を高めることを提案。3つの類型を示しながら、自治体と協議を行い、その実現可能性を探った。今後、厚生労働省とも協議を重ね、宅老所の柔軟性を損なわないかたちでの届け出の仕組みづくりについて、実現を目指す。