第9回ユニットケア全国セミナー アンケート(抜粋)

ユニットケアの原点を問い直す  
ユニットケアのケアを考える  
ディスカッション「転機をむかえた介護現場−人材不足を乗り越えるために−」  
分科会1「一人ひとりの暮らしを支えるために−ケアプランから考える−」  
分科会2「暮らしのための環境づくり−ユニットケアでの生活空間を創造する−」  
分科会3「ユニットケアの担い手を考える−人材育成の視点から−」  
分科会4「地域とともにつくるユニットケア」  
分科会5「ユニットケアと地域密着型小規模ケア」  
分科会6/特別公開セミナー「老後を安心して迎えるために」  
滋賀発まとめのセッション「ユニットケアのこれからを考える」  

◎ユニットケアの原点を問い直す

ユニットケアを改めて学び、また「専門性」が必要とされる事を聞き、とても印象に残った。
原点への回帰はユニットケアの本質そのものを見直す必要があることで、制度化された“ユニットケア”と本当の意味で現場で取り組まれた“ユニットケア”の差がありすぎているのではないだろうか。

管理職と一般職の視点の違いを感じた。

少ない人数で少ない人数をケアしていくことの意味を、そこで働く職員が認めていかないと辛いものだと感じた。

実際の知識がある程度身についていないと、話しの理解が難しかったかもしれません。

ユニットケアの捉え方は、一つの方向からではなく、様々な視点から考えていくことが大事だと思いました。

特養で勤務していますが、児童養護施設を取り入れた講話は良かったと思います。原点は同じであることが理解できた。

ユニットケアの利点を生かした介護の追求とケア職員のレベルアップの重要性を再認識できた。

もう少し噛み砕いて話しをしていただけると分かりやすかったと思います。

児童養護施設でも共通している部分があり、人間の尊厳を守るという個別のケアが今の時代は必要とされていることが分かった。

いろいろ言われてきたが、自分のやり方を認めてもらえた気がする。

児童養護施設での取組みがとても分かりやすかった。「場」や「選択権」の保障は児童に限らず、高齢者や一般の人にも当てはまる、ユニバーサルな考え方であり興味深かった。

基本的な介護技術もワーカーによって格差がある。やはり人材不足による余裕の無さ、報酬が低いことによるやる気の無さ等、また慣れた頃に離職するため、指導者不足の問題もあり、個別ケアどころか基本的なケアでさえ、質が低下しているように思う。

◎ユニットケアのケアを考える

話しは、とても聞きやすくて良かったと思いますが、何か一つ、現場に持ち帰って何に取り組んだらよいか、ということがつかめなかった。

その人がその人らしくというあり方を考える上で、良い例を聞かせてもらいました。

現場の生の声を聞けたこと。さらに現場が抱える身近な悩みを聞けたことが良かった。

新型と従来型の課題は、違うように見えて、実は同じなんだということが分かった。

重度化が進む中、持っておられる能力を維持していくことが、本当に大切であることや深夜帯こそしっかりと向き合い、心を向けていくことの大切さを知りました。

ユニットケア=個別ケアである。生活の日課(マニュアル)は不要だが、スタッフにはマニュアルが必要。これからは重度化予防モデル、重度化対応型モデルが必要であり、取り組んでいかないとユニットケアができなくなる。

ユニットケアの良い点、問題点が分かりやすくでていた。自分たちと重なる所が多くあり、これからどのようなケアをしていけばよいか、というのがとても参考になった。

「理想を掲げるからしんどくなる」という言葉に救われました。転職し夢を大きく掲げ、新設の立ち上げに、この8か月死闘でした。これからじっくり進めていきたいと思います。

ユニットケアの明暗をとても上手に、引き込まれるように聞くことができた。自施設のユニットケアが見えてきたような気がする。

◎ディスカッション「転機をむかえた介護現場−人材不足を乗り越えるために−」

それぞれの立場からの発言は聞きごたえのある内容だった。まずは行政に動いてもらい、現場はそれに恥じないケアを行っていかなくてはならないと感じた。

どの職場でも、どの立場でも現場の人材を考えなければと思いました。本当に、もっと介護現場の状況を多くの方に知ってもらいたいと思います。

自分の職場でも離職率が高いので、介護職の環境を改善しないと介護職の質の向上は難しいと思った。

厚生労働省でも報酬の見直しを検討されているようですが、介護職の人件費は施設ごとに決められていることもあり、報酬が上ったからといって自分たちの給与が上るとは思えない。人件費は報酬によって支払われるということから、介護職の給与の一定ラインを厚生労働省から提示してもらえれば、全国で一律に近い給与体系がとれるのではと考える。

専門性を強化していくために、介護職員が強い志をもって日々を送りたいと思います。私たちだけでなく、それぞれが大変なところにいることが分かりました。まだやれるかなと思う。

今後の福祉事業においての新しい対策の重要性や危機感を実感できました。

お金だけの問題ではなく、地域との交流を考え、上手に運営していける方法を考えていけたらと思う。暇にしている人はもっとたくさんいると思うので、上手に利用する方法の検討も必要。

人材不足、育成がとても問題になっている中、原因は給与、勤務体制なのかと思います。その土台ができていれば意欲を持って取り組む人は多くなるかなと思いました。あとはその職員なり、資格を持った人に原点にかえってもらい、なぜこの仕事をしたいと思ったのか考えて欲しいところです。

介護報酬の引き上げ、仕事量、能力にあった給与(見直し)を、今後行政でもって解決できれば、良い介護ができるのではないか?

離職率が高いことは知っていましたが、そのうち8割以上が3年以内に辞めていることを知り、とても驚きました。

達成感を味わえる環境作りに努め、職員一人ひとりが自然体のプラス思考を持てるように努めたい。

切実になってきている人材不足は、熱いコメントから良く理解できましたが、結局これという打開策はないんですね、というのが率直な感想です。

私の施設でも人手不足のため、三大介護だけで精一杯の状況です。職員も心にゆとりが持てていません。この状況の中でも、少しでも良いケアをしていこうと思います。

◎分科会1「一人ひとりの暮らしを支えるために−ケアプランから考える−」

ケアプランに対する苦手意識が少し無くなった。

個別ケアの実践の方法、新人の育て方等多く教わることができました。

◎分科会2「暮らしのための環境づくり−ユニットケアでの生活空間を創造する−」

環境は単純に綺麗さといった見た目の問題ではなく、関係を踏まえて考えていかねばと思いました。既存型の話しを聞けたらよかったと思う。

改修前と改修後の写真があったのでわかりやすかった。

暮らしの環境づくりはホームで介護する上で、避けることのできないことなので、ハード面・ソフト面のそれぞれ取り組んでいかないといけないと思いました。「物理的居場所+人的居場所」これがとても頭に残ったので、生かしたいと思います。

施設が例えユニットケア対応であっても、ユニットの環境を職員が利用者と一緒に暮らせる場所に変えなければ、意味がないと考えさせられました。

好感の持てるモデル施設は、スタッフ全員の協力性がうかがえ、目標に向かって取り組んでおられる。ぜひ現場に持ち帰り生かしていきます。

暮らしのための環境づくりがテーマでしたが、簡単に考えていました。奥が深く、深い分、考えている間に楽しみがもて、自分の部屋の模様替えのようなイメージを頭に描くと、完成後は達成感でいっぱいになります。このように、利用者に合った、満足のいく環境をつくるためにも、日々のコミュニケーションをとり、スタッフ・利用者共に共感し、気づき上げられればと思います。

ユニットでの調理の重要性はよく分かりましたが、うちのユニットにはガスコンロすらありません…。

◎分科会3「ユニットケアの担い手を考える−人材育成の視点から−」

新人教育の大切さを学びましたが、実際多くの時間をかけて教育できていないのが現実です。また教育できる人材が少ないように思います。

コミュニケーション能力の重要性から、今までの指導方法では、人材育成が難しい事がわかった。

主に新人研修の話しでしたが、学ぶことが多くありました。自ら学ぶことも非常に大切だと感じた。

社会人としての礼儀をしっかり頭に入れさせるための熱意があった。また何のための新人研修かを忘れていたり、無視したりしてきた自分を見せられた気がした。

新人研修に取り組んでいくよう、上司に問いかけていきます。

新人職員やユニット職員に対する指導や、自分のユニットがより良いケアを提供するためにリーダーがしなければならないことなどを聞けて勉強になったが、明日からどう自分が下の者を育てるか?一緒になってユニットを盛り上げていくにはどうすればよいか考えることができて良かったです。

利用者の特徴、特性、生きがい探し=職員の特性、生きがい探しであり、人間対人間として、どこでどのように繋がることが大事なのかを考えながら介護をしてゆきたいと思った。プロの自覚と自立、経験者としての援助工夫を育成に生かしたい。

◎分科会4「地域とともにつくるユニットケア」

地域の方々にしてもらう、助けてもらうばかりではなく、地域の方々への誠意の積み重ねが地域の方々とうまく関係を保っていけるのだと感じました。

地域密着型サービスについての実践報告があり、理解しやすかった。また、それに対する収支の問題点などの課題が分かった。

自分の施設で取り組めそうなことも見えてきた。反面、ケアマネとしての力量不足を痛感した。

「あったかホームなのはな」の報告が、これからの小規模多機能型の施設開設に向け、かなり自信を与えていただいたように思います。

◎分科会5「ユニットケアと地域密着型小規模ケア」

地域の方にサービスを周知していくことは難しいことだと思いますが、自治体との調整の中でヒントをもらえたような気がしました。いろんな企画を出し、地域の方と接する時間を多く持ちたいと思います。

地域密着型サービスについてと、地方についての取り組みに関心しました。

特養に働いており、在宅での“小規模多機能”の役割と現実、地域密着型での仕事をしてみたいと思っていたので、話しを聞けてよかったです。

今後、業務を進めていく中で参考にさせていただきます。

◎分科会6/特別公開セミナー「老後を安心して迎えるために」

宅老所を開設した方の話しを聞いたとき、理想だと思い感じました。お母さんのケアを聞いたとき、私自信も同じように接しいると感じ、もっと考えなくてはと思います。第一印象が挨拶で決まるので大切だと思ったが、家族の思いはそれ以上のことを求めているのだと感じました。

もう少しテーマを絞り込んだら、もっといろいろなことを聞けたと思います。

滋賀発まとめのセッション「ユニットケアのこれからを考える」

3つの死、とても印象に残りました。

逆デイサービスについて初めて知り、とても「いいなぁ」と思いました。年代関係なく、触れ合うことこそ、介護の現場には必要だと思いました。

「老い若」での取り組みが興味深く良かった。今後の社会に(子ども、お年寄りにとって)ぜひ必要だと思った。

地域で高齢者、子ども、障害者などの枠での区別なく、自然に心地よい居場所づくりを、なるべく手を入れずに実施することの大切さを知る。

「地域で暮らす」や「ユニットケアと地域とのかかわり」について理解できたように思います。

現代人の関係性の希薄に対する警鐘であるセッションであった。また型にはまった、型にこだわることへの警鐘でもあった。自分の考えに近いセッションであり、とても力強く思えた。

地域を巻き込めるパワー、地域の方からもらえるパワー、支えあいでどちらもプラスに変換できる方法があることを知った。

施設に入ると出口がなく、いろんな意味で人を殺してしまっているのかもしれない、と自分自身がしてきたケアを見直した。人と接している、それを忘れないようにしたいと思った。

介護職としては、どうしても目先のケアのことを考えてしまうが、地域との交流を図ることで生まれる効果やその必要性を、実際の事例を聞くことで知ることができた。

滋賀県民だけれども知らない取り組みが多々あった。地域の中でのケアは理想でもあるので、取り組みの現状やこれからが今後もどんどん報告されることを期待しています。

施設を飛び越え地域密着型で行うケアは、どの町や県でも言えることで、大事だなと思いました。また利用者、職員のそれぞれに役割がある、あなたがここにいるのは理由がある、ということ。その通りだなと思いました。

地域に根付いた施設、地域住民が交流できるところがあることに驚いた。

「良いケアを作るのではなく、悪いケアを改める」という言葉、とても心に残りました。