もくじ
多世代交流・多機能型福祉拠点のあり方に関する研究事業
平成27年度生活困窮者就労準備支援事業費等補助金(厚生労働省社会福祉推進事 業分)
目的  政府においては、人口減少が進む中で、地域の活力の維持・活性化を図る 観点から、地方創生のための様々な取組が行われている。
こうした中で、『多世代交流・多機能型福祉拠点』については、平成26年度補正予算によって創設された「地域住民生活等緊急支援のための交付金」の事業メニューに位置づけられ、「高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉などの各制度に基づくサービスをより効果的・効率的に提供し、加えて地域交流・地域支え合いの拠点としての機能を強化するため、民家や既存公共施設等を活用し、居場所の提供、相談、見守り、通所サービス等の支援を柔軟に実施」(まち・ひと・しごと創生本部会合資料より)するものとして、今後その整備を進めていくこととされている。
しかしながら、現状、こうした福祉拠点は明確な定義が存在せず、その運営のあり方は、個々の事業者に委ねられているため、対象者や提供されるサービスの内容などを標準化するには至っておらず、サービスの質にもばらつきがある。
このような現状を踏まえ、こうした福祉拠点の地域的な課題に対応した類型性を踏まえた標準化・普遍化を図る観点から、過去の調査・研究の成果等も活用しつつ、先進事例を体系的に整理し、各事例の有効性を検証するとともに、先進事例の実践者や研究者、行政職員を含めた委員会を設置し、討議の上、あるべき事業モデルを取りまとめる。この際、委員以外の実践者等を委員会に招致し、活動内容などに関するヒアリング、意見交換を行うほか、必要に応じ施設の訪問ヒアリング調査を実施する。
また、併せて、こうした拠点の運営に当たって、現行の制度面を含め、課題を抽出・整理し、人口減少が進む中で、こうした福祉拠点の整備を促進していくための政策提言を取りまとめる。
さらに、本事業を通じて取りまとめた報告書を全国の自治体に送付し、こうした福祉拠点の理解促進・啓発を図るとともに、「まち・ひと・しごと創生法」に基づく地方版総合戦略策定の参考に資する。
内容 1.研究委員会の設置(平成27年7月〜)
先進事例の実践者、研究者などにより構成する委員会を設置し、過去の調査・研究による成果の活用、実践者等の委員会招致・ヒアリングや実態調査等を通じて、『多世代交流・多機能型福祉拠点』に関して、
 @先進事例の把握、有効性の検証
 Aあるべき事業モデルの検討
 B制度面を含めた課題等の整理
を議論し、報告書にとりまとめる。
委員会は、計5回程度、東京にて開催
委員は、委員長含め8名で構成。
委員会では、実践者・行政担当者・研究者を必要に応じ招致し、ヒアリングを実施する。計5名程度を想定。

2.実態調査の実施(平成27年8月〜平成28年1月)
委員会において必要とされた実践活動に対し、訪問・実態調査を実施する。全国5カ所程度の先進事例を想定。特に委員会招致が難しい施設を対象として優先する。
基本的には事務局による訪問ヒアリングを想定しているが、調査方法や調査項目などの詳細は、委員会において議論の上、決定する。

3.報告会の開催(平成28年1月〜2月頃開催)
本研究成果の報告と、『多世代交流・多機能型福祉拠点』に対する理解・普及を図ることを目的とした報告会を開催する。
東京での開催を想定し、研究委員メンバーを中心としたシンポジウム形式で実施する。

4.報告書の作成(平成27年12月〜平成28年2月)
本事業の成果をとりまとめ、全国自治体に送付するとともに、ホームページに報告書ファイル(PDF)をアップロードし、『多世代交流・多機能型福祉拠点』の理解促進と普及に寄与する。
補助額 9,306,000円